ぱどま堂の日々

小金井市で はりきゅう・アーユルヴェーダ・ヨーガ・インナーチャイルド癒し

ソムナートの涙

ここのところ昨年訪れたソムナート(インド・グジャラート州)の事をよく思い出します。アーメダバード、ドワルカ、ギルナール山とグジャラート州を移動し続け、最後に到達したのが1番目のジョーティーリンガムを祀るヒンドゥー教の聖地・ソムナート寺院でした。
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アラビア海に面するソムナート寺院は、一見、他の聖地と大きく違うことはありませんが、なぜかそこに居るだけで有難い気持ちが溢れ出てきたことを覚えています。ここに至るまでに出逢った人々・場所・土地、デリー、グジャラートブッダガヤ、カルナータカ、タミルナドゥー、インド、そして日本の場所、親、出逢った人々に対しても感謝の気持ちが溢れてきて、涙がどんどん湧き出てきて、しばらく寺を眺めながら号泣していました。
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しこたま泣いた後、お腹がすいたので(笑)寺院の周辺のスナック屋でパオバジपाव भाजीを食べました。パオバジはムンバイ発祥の軽食で、パン(pav)とカレー(bhaji)がセットになっています。パオバジのカレーはヴェジですが、私はこの時、ジェイン・パオバジを注文しました。
ジェイン、つまりジャイナ教徒が食べることができるカレーが付いたパオバジです。
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ジェインの大事な教えに五戒(不殺生・不妄語・不偸盗・不邪淫・不所持)があります。この五戒の1つである不殺生(アヒンサー)がジェインの食制限のもとになっています。
例えば玉ねぎやニンニクはたべません。理由は、ニンニクや玉ねぎの食べる部分を食べてしまえば、その植物を殺してしまうから。また、収穫するときに植物についた虫を殺しやすいということも理由のひとつです。
しかしジャガイモや穀類・豆類は、それを食べても、その植物を殺すことにはならないのでよく利用します。
全てアヒンサー(不殺生)思想に根拠があります。
 
この時、ソムナート寺院の参道で食べたジェイン・パオバジもジャガイモがメインでした。ニンニクも玉ねぎも入っていませんが、とても美味しかった覚えがあります。

さてジャイナ教徒の考える「生き物」は動植物だけではありません。土地・水・海・火・風・空気・音など、形はなくても存在する全てのものには霊性がある=魂がある=生き物であると考えます。だからたとえ肉体を傷つけなくても、相手が傷つく言葉を口にしたり、口にしなくても心の中だけで「○○ムカツク」などと考えるのも、SNSで文字にして批判するのも、殺生となるのです。

もちろん反対に、相手に気の利いた言葉をかけられなくても、優しい思いがあれば、相手のココロは貴方に包み込まれたような優しさを感じる事もできるのです。

私も、良かれと思った事や、間違ってないと思い言葉や文字にした事で、相手を傷つけてしまった事が沢山あります。
今でも、知らぬまに殺生を繰り返して生きています。悪人ですね。
でもそんな極悪人の私もソムナートで温かい気持ちが溢れてきたのを感じました。
それは何故だろう、とずっと考えていましたが
最近ジェイン・パオバジを思い出して少しだけ気づきました。
目に見えないけど、あの時の私は優しく包まれていた、と。
そしてそれは特別な場所だからではなく、日本だって自宅だって、どこでも起こり得ることだと。
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5月は毎週月・火曜日、21日~24日、26日はお休みです

ぱどまの会ヨーガ教室「まずはヨーガからはじめよう」
5月クラス:5月5日(祝金)14:00~16:00 小金井市貫井北センター 北町ホール
お問い合わせは、ぱどまの会 padomanokai@yahoo.co.jp まで